サラキ岬

サラキ岬 地名
サラキ岬
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『永田地名解』を歩く途中、サラキ岬へ立ち寄りました。サラキ岬は伊能図にも「サラキ」と示されており、おそらくアイヌ語のsar-ki サㇽ・キ(湿原あるいはやぶ、しげみ・稈)で茅のある茂みだったのでしょう。ここは咸臨丸とチューリップで有名なところです。

サラキ岬にある咸臨丸のモニュメント

咸臨丸の原名はヤパン号で江戸幕府が海軍創設のためにオランダに発注し購入した蒸気軍艦です。1857年には長崎に回航し、艦長のカッテンダイケらオランダ人教官のもとで第二次海軍伝習の練習艦となります。その後、遣米使節の随行艦として勝海舟らが乗船しました。戊辰戦争のときに一時は榎本武揚の指揮下に入りますが、遭難して官軍に捕らわれました。1871年9月19日、片倉氏旧臣401名の移住目的で北海道小樽へ向け出航しましたが、輸送途中、このサラキ岬で破船、沈没してしまいます。

咸臨丸最後の航路図
咸臨丸最後の航路図

咸臨丸は下の写真の磯が海上に張り出した部分に座礁したのではないかと推測されています。1984年の11月にサラキ岬の沖合で鉄製のいかりが引き上げられ咸臨丸のものであると話題になりましたが、そのいかりは木古内町郷土資料館(いかりん館)に展示されています。

サラキ岬から海を望む
サラキ岬から海を望む

咸臨丸がオランダで製造された繋がりで、サラキ岬では毎年チューリップフェアが開催されます。今年も5月上旬には多くのチューリップで賑わいますので、近くを立ち寄った際には見てみてはいかがですか。

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