ばくらいを作る~このわたとホヤの塩辛の作り方

このわたとこのこ 水産加工
このわたとこのこ
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「ばくらい」ってご存知でしょうか。

なまこの内臓(海鼠腸・このわた)とホヤ(正確には赤ホヤ)を混ぜた塩辛のことです。その独特の名称は、ホヤの形が「爆雷」に似ていることに由来してるそうです。

まあ、知る人ぞ知る加工した珍味中の珍味、酒盗オブ酒盗です。

もともとはどこかの水産加工会社の商品名なのでしょうが、なかなかどうして一般名称化しつつあります。シャープペンシルやウオークマンと一緒ですね。(笑)

冒頭の写真のように活きの良いナマコの内臓を頂きました。

以前もナマコの内臓の塩辛を漬けた記事を書きましたが、今回は丁度ホヤのシーズンですのでホヤとこのわたを混ぜた「ばくらい」を作っていきたいと思います。今回は赤ホヤではなく、道南で一般的な真ボヤを使って作ります。

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ホヤを捌いて適度な大きさに切る

まずはホヤを捌いていきます。詳しい捌き方は過去記事をご覧ください。

捌いたホヤは好きな大きさに切ります。少し細めに切れば発酵も早く、このわたとの一体感もでます。食感重視なら刺身より少し小さく切る程度で良いと思います。

マボヤ
マボヤ
半分に切って老廃物を除く
半分に切って老廃物を除く
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殻から外した状態
殻から外した状態
好きな大きさに切り分ける
好きな大きさに切り分ける
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このわたを処理する

次にこのわたを処理していきます。

このわたの中に詰まった砂や水分をしごきだしていきます。

詳しいやり方は以前の記事をご確認下さい。

今回頂いたこのわたの鮮度は抜群で綺麗なオレンジ色していますね。

腸であるこのわたの他に白やオレンジっぽい糸のようなものが見えます。これが卵巣である「このこ」ですね。干した珍味である「くちこ」や「ばちこ」と呼ばれるもの材料になる部分ですね。

量も少ないので、「このこ」も一緒に使います。

「このこ」は特に処理することもないので取り分けていくだけでOKです。

頂いた海鼠腸
頂いた海鼠腸
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塩水で浸して水を切る

腸の中を処理した「このわた」と「このこ」を塩水に入れて軽く汚れを落とし、ザルにあけて水を切ります。

塩水は水に塩を軽く振る程度で良いです。

軽い塩水で洗う
軽い塩水で洗う
ザルにあけて水を切る
ザルにあけて水を切る

ホヤと混ぜる

さて、処理が終わったら切っておいたホヤと混ぜ合わせます。

混ぜ合わせている間に長いこのわたが箸に絡みつくと思います。

そのままだと非常に長くなってしまいますので、少しキッチンハサミなんかで適度な大きさにカットしてあげるといいですね。

あんまり長いと一箸で食べてしまいそうですしね。(笑)

処理されたこのこ混じりの海鼠腸
処理されたこのこ混じりの海鼠腸
海鼠腸は少しハサミを入れて細かくしておくと良い
海鼠腸は少しハサミを入れて細かくしておくと良い

酒と塩を混ぜて攪拌する

あとは日本酒と塩を入れて混ぜていきます。

日本酒はこのわたとホヤの量にもよりますが、このくらいなら大さじ3~4程度です。

塩加減は甘目なのか辛めなのかでお好みで。

このわたやホヤにも塩分が含まれていますので、味を見ながら調整して下さい。さっと振るだけでもなかなかの塩加減になります。

日本酒はなんでも良いですが、折角の高級食材ですので家にあった飲みかけの純米大吟醸を使ってしまいました。

使ったのは男山の「諸事情」という純米大吟醸・・・なかなか美味なお酒でした。

ラベルにはコロナ禍による酒蔵の苦境が滲みでています。

観光客の激減により、販売不振の純米大吟醸酒。できれば一番うまいときに飲んでいただきたいので、熟成させずにお値打ち価格で放出します。いつも応援ありがとうございます。どうか、これが最後の「諸事情」になりますように。

男山「諸事情」純米大吟醸ラベル
男山「諸事情」純米大吟醸
男山「諸事情」純米大吟醸
混ぜ合わせたら冷蔵庫で寝かせる
混ぜ合わせたら冷蔵庫で寝かせる
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ばくらい~このわたとホヤの塩辛の完成

時折攪拌しながら冷蔵庫で一晩も寝かせれば翌日には食べられます。

そのまま瓶詰めして冷凍すれば、数ヶ月は保存できますね。

4日程度置いておくと塩もこなれてきて良い感じです。

早速出来上がりを頂きます。お皿二つに盛っているのは特に意味はありませんが、喧嘩にならないように父親の分と筆者の分に分けてみました。(笑)

ばくらい~このわたとホヤの塩辛
ばくらい~このわたとホヤの塩辛

早速、先ほどの男山「諸事情」片手にばくらいを頂きます。

う~ん、ホヤとこのわたという両者とも独特の風味がある珍味を合わせると、珍味感が10倍くらいに増しますね。

磯の香り抜群にほのかに抜ける食べたあとの甘みが最高です。

これに合わせられるアルコールは日本酒以外には無いでしょう!

是非皆さも一度食してみて下さい。(‘ω’)

この磯の香りがたまらない
この磯の香りがたまらない

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