あまり一般の方には知られていませんが、NHK北海道本部が編著者になった『北海道地名誌』という本があります。
なんでNHKがこんな本を出しているんだ?いう感想をお持ちの方はいらっしゃると思います。
何故かと言うと、TV局でVTRを作る時、あるいはアナウンサーが原稿を読み上げる時、正確な読みや地理・所在の把握が必要となります。
そのために、NHK北海道本部では社内用として全道市町村を訪ねて、そういった基本的な情報の把握に努めておりました。
いつしか地名等の素材が多く集積されて、その集めた情報を書籍化したものが本書となります。
NHKから依頼されてそういった情報収集に当たったのは、このブログでもたびたび登場する『アイヌ語地名解』の著者更科源蔵氏です。
この本の特長はアナウンサーなどが使うことを念頭に置いてあるため、アイヌ語と関連性の無い地名でも、その所在と読み方を意外に多く網羅していることでしょう。
アイヌ語由来やプチ歴史も掲載してありますので、アナウンサーのコメントや編集上の素材として用いられたことは想像に難くありません。
本書を製作したNHKといい、以前紹介した『北海道 駅名の起源』の国鉄といい、昔、公的機関が出版物を編集していたという事実は、興味深いとともに時代を感じてしまいます。今では全く考えられないですね。『北海道 駅名の起源』にも更科氏が関わっています。
今では手に取る人も少ない二冊になってしまいました。
コメント