知里真志保博士の碑

知里真志保之碑 地名
知里真志保之碑
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私がよく引用する『地名アイヌ語小辞典』などを執筆したのは知里真志保博士です。アイヌ語の地名研究をする人なら山田秀三氏と並んでその名前を知らない人はいないと思います。出身地は登別でアイヌの家系で育ち、その家系には『アイヌ神謡集』記した姉の知里幸恵氏や金田一博士にユーカラを伝えた伯母の金成マツさんがいます。知里博士は山田氏と地名調査の良い棒組だったようで、山田氏はその著書の中で非常に懐かしい感情を表現しながら知里博士のことを記されています。その知里真志保博士の碑文がある登別小学校の前にいってきました。

知里真志保之碑全景
知里真志保之碑全景
銀のしずくの碑文
銀のしずくの碑文

その中には「銀のしずく 降れ降れ まわりに」と記されていて、これは梟の神が話す『アイヌ神謡集』の一説ですが、知里幸恵氏は「銀のしずく 降る降る まわりに」と記されています。この差異については機会があれば。

知里真志保之碑文①
知里真志保之碑文①
 知里真志保之碑文②
知里真志保之碑文②

山田秀三氏の著書から引用すると、

(前略)登別の人たちが、登別の生んだ偉材を偲んで登別に彼の碑を建てて置きたいという。もちろん私もその仲間に入れてもらった。碑文を書けと言われて、次のように綴った。

 『彼は登別川のほとりで育った。アイヌ系のわんぱくな少年であった。長じて天才的な言語学者となり、その名は今に世の畏敬の的である。故郷をしのび、海の見える岡に住みたいと言っていたという。有志相はかり、ここハシナウシを選び、この碑を建てた』

山田秀三『アイヌ語地名を歩く』(北海道新聞社、1986年)190-191頁

ハシナウシはhas-inaw-us-i ハㇱ・イナゥ・ウㇱ・イ→ハシナウシで枝状の・木幣・ある・所の意味です。アイヌ語地名を愛する者なら一度は訪れてみたい聖地のようなものでしょうかね。

近くには金成マツ氏の碑や知里幸恵氏の墓があります
近くには金成マツ氏の碑や知里幸恵氏の墓があります
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