古き良き函館を知る上で、この上ない参考となるのが本書です。
著者の元木省吾氏は明治25年香川県生まれ、12歳のころ家族とともに函館に移住します。函館中学校(現函館中部高校)から広島高等師範学校(現広島大学)を経て、函館をはじめとして北海道内でいくつかの学校の校長となり、最終的に母校の函館中学校の校長で教員生活を終えます。退職後、市立保健所ののち、市立図書館長に就任しました。
論語を読むのが習慣であったらしく、子供の名には論語の一節を与えたようです。言われてみれば、ご本人のお名前も「省吾」ですから、「吾日三省吾身」から名付けられたのかもしれませんね。
この本の面白いところは、町名の由来やその頃の人々の暮らし、函館の移り変わりが記されていることです。戦前から戦後にかけて函館の街や人々の様子が活き活きと描かれていて、函館市民なら興味を持ってみることが出来ると思います。
今は書店に並ぶことの無い本ですが、中古本が結構出回っていますので、興味のある方は開いてみてはいかがでしょうか。
コメント