知り合いの海鼠(なまこ)を加工しているところでは、捌いたあとの内臓を捨てるそうです。それを聞いてもったいないと思ったので、捨てられようとする「このわた(海鼠腸)」をいただきました。これを使って酒のつまみに塩辛を作っていきます。そもそも何故「このわた」なのか?古くは海鼠のことを「こ」と呼んでいたようです。ゆえに、「こ」の内臓であるので「このわた」と呼ばれているようです。
砂を取り除く
このわたは細くて長い腸になっていますので、指でつまみながら腸の中にある砂をしごいて取り除いていきます。非常に地味で退屈で辛い作業ですが、ここで手を抜くと出来上がった塩辛がジャリジャリしてしまいますので気合を入れてやりましょう。今回は海鼠をしばらく水槽にいれておいたようなので、ほとんど砂は入っていませんでした。
塩水で洗う
ボウルに一掴み塩をいれ塩水を作り、砂を取り終わったこのわたをよく洗います。
水気を切る
ザルにあけて水気を取ります。
酒と塩を混ぜて冷蔵庫で保存
酒を少量と塩(お好みで調整)を混ぜて冷蔵庫で保存します。塩の量はお好みですが、もともとしょっぱいので入れすぎると塩分が効きすぎます。直ぐに食べてしまうなら、この量では大さじ一杯程度でいいかもしれません。
かき混ぜる
毎日、かき混ぜて塩がなじむようにします。翌日にでも食べられますが、塩がこなれてくる3日目くらいからが美味しいかもしれません。ボウルからザルに移して最後に余計な水分をとります。
さてあとは、食べきれない分は冷凍して後々の楽しみに取っておきます。(笑)
器に盛って完成です。オレンジ色できれいですね。
日本酒との相性は抜群で、非常にお酒がすすみます。口に入れると磯の香りが広がります。「ウニ」「カラスミ」とともに日本三大珍味らしいです。熱燗にいれる「このわた酒」も最高ですね。海鼠自体も中国への輸出でいまや高級食材になっているので、さらにこのわたは手に入りづらいかもしれませんね。