夏の函館と言えば、イカ刺しですが近年不良すぎて、なかなか地元民の口も入りづらくなってきています。例年なら8月後半からイカも厚みが増し、大きくなり一夜干しや塩辛に適してくるのですが、何せ今年は1杯200~400円と高額でイカの塩辛を作るどころか、イカ刺しも満足に食べられない状況です。そんな中、いきつけの魚屋で朝獲りイカが8杯1,000円で買えましたので、今年初めてのイカの塩辛を作っていきます。
イカを捌く
まずはイカを捌いていきますが、腹側を上にして逆さ包丁にして切れ目を入れます。切れ目を入れたらゲソごと内臓を剥がしていきます。
内臓とゲソを身から剥がしたら、ついでにイカの骨も取り除きます。取り除いて三つに分かれた状態が上の写真になります。
イカの身の内側に軽く包丁をあて、余分なものを削いで取り除きます。丸っぽい寄生虫や余計な汚れ、内臓もとってしまいます。この時点でアニサキスが身に刺さっていれば取り除きましょう。
次はゲソの方ですが、まずイカゴロ(イカの内臓)についている墨袋を外します。写真では少し外して飛び出した部分になりますが、下側からつまんで引っ張ると難なく外れてきます。失敗すると墨が出てきちゃいますので気を付けて下さい。
墨を外したら、イカゴロとその上の余分なところ、イカゲソの部分と上の写真のように切り分けてしまいます。
ゲソは裏側から二つに割って、中から目の玉を取り出します。つぶすと体液が飛んできますので優しくやってください。イカのトンビ(真ん中の丸い嘴の部分)はそのまま塩辛にしても構いませんが、トンビの中に硬い部分があるので取り除くことをオススメします。ゲソにもアニサキスや寄生虫がいれば取り除いていきます。
これを繰り返して、上の写真のように下準備の完成です。
イカを切り分ける
イカを塩辛にするため切っていきます。まず、ゲソの方ですが長い二本の足の先端は取り除いてしまいましょう。決して食べられないわけではありませんが、大きめの吸盤がついているため、あまり食感がよろしくありません。
足の部分を切り落とします。9月後半くらいになるとイカも成長してくるので、場合によっては切り落とした足をさらに二分の一にカットします。
余った軟骨部分は縦に4~6に大きさに合わせてカットします。ここが一番美味いんですよね。
胴体の部分は大きさに応じて2~3にカットしてから5mm程度の短冊にしていきます。
上の写真の包丁の先にある胴体の端部分は取っても取らなくてもかまいません。上品な人たちは取ってしまうようです。(笑)
上の写真が切り分けた状態のイカです。贅沢に朝獲りイカを使っていますので、まだイカの身がピンと立っています。やっぱりこれくらい活きのいいイカで作るのが最高に美味しいです。
塩辛の下準備
切り分けが完了したら、次は塩辛を作る工程に入ります。まず、イカの内臓(イカゴロ)を塩漬けにします。
今年のイカは痩せているのでしょうか。9月に入ってもイカゴロが育っていません。今回は全部使うことになりそうです。大きく育っていれば、2~3個を混ぜればよいのですが、今回は全部使っても足りないかもしれません。イカゴロを塩に漬けます。塩に漬けることによって余計な水分が飛び、臭みが無くなります。 ※うちの両親は塩漬けせず、そのまま混ぜ合わせます。これはもう好みの問題ですね(苦笑)
塩辛を漬ける
白造り(皮をむく方法)では、あまり唐辛子などいれませんが、今回の赤造りは自由です!臭み消しあるいはピリ辛好きな人は唐辛子を入れます。さて、イクラの醤油漬けでも言いましたが、イカの塩辛も100人いれば100通りの作り方があります。今回はイカの皮を剥かない簡単な赤造りですが、それゆえに味付けや仕上げが人によって異なっています。うちの家庭であっても、父親の作るそれと母親のものと私のものは全く違います。もはや、ここに載せるのは一つの参考程度に、自分だけの塩辛を作って下さい。(笑)
買ってきた青唐辛子を刻みます。激辛と書いてあったのですが、思ったより辛くなかったので、赤唐辛子もちぎってまぜます。赤唐辛子の中の種は捨てて下さいね。
一方、処理したイカにはパラパラと塩を振ってかき混ぜます。塩は全体にまんべんなく振る程度で構いません。これによってイカから余計な水分が出て臭みが消えます。
刻んだ唐辛子を混ぜます。
味を見ながら自分好みの塩辛に仕上げてください。答えはありません。今回はピリ辛が足りなかったので一味唐辛子も混ぜちゃいます。混ぜ終わったら一日冷蔵庫の中にラップをして寝かせましょう。
イカの内臓を混ぜ合わせる
一日経った仕込んだイカの下には余計な水分が落ちますので捨ててしまいましょう。
一日塩で漬けたイカゴロは余計な水分と一緒に臭みも消えてますので、さっと水あらいして塩を落とし、キッチンペーパーで水分をふき取ります。その後、縦に切れ目を入れ内臓部分だけをスプーン等で掻き出して行きます。
掻き出した内臓部分を昨日まで下処理しておいたイカに混ぜていきます。ほぐしながらまんべんなく混ざるようにしましょう。
出来上がり
イカゴロを混ぜてからまた一日冷蔵庫内で熟成させます。上の写真は、丁度1日熟成した状態です。1日くらいですとまだそれほど発酵が進まないので2日目以降が食べごろです。冷凍するならゴロを混ぜて1日目でも問題ありません。アニサキス除去に不安がある方は一度冷凍してから食べることをオススメします。自家製イカの塩辛を一度食べると正直売っている商品は調味料の味がきつすぎて食べられなくなります。是非、皆さんもオンリーワンの味を探求して見て下さい。
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