当ブログでも何度も名前が出てくる山田秀三氏。戦前、東京帝国大学を卒業して農商務省に入り、仙台鉱山監督局長や軍需省化学局長を務めたいわゆるエリート官僚でした。戦後は退官し、北海道曹達株式会社を設立して社長となるも、仙台時代に出会った東北の地名からアイヌ語地名の研究をしていきます。本人いはく、地名調査は道楽であったそうですが、アイヌ語地名研究の第一人者として確固たる実績を残したのです。
山田氏はエリート官僚として、経営者として、そしてアイヌ語地名研究者として異なる側面を持ちながらも、それらである一定の卓越したところまで実績があることに、筆者なんかは現代のレオナルド・ダヴィンチかと思うほどです。
その、山田秀三氏は文献だけでなく現地調査を重んじて、同地名が同じような地形であることに着目して北海道のアイヌ語地名を調査していきました。その結果、数々の研究成果を残しましたが、1982年にそれまでの著作を集めて作られたのが本書になります。
本書は、旧装版と新装版があり、新装版は1995年刊行されました。冒頭の写真は新装版です。もし、皆さんの中でアイヌ語地名に興味があって、もう少し深い世界を見てみたいというなら、本書を手に取ることをおすすめします。
↑『北海道の地名』を見ても物足りない、もっと深くまで知りたいと思ったら、読んでみていいと思います。
だた、一般人が手軽に見れる文庫本と違いちょっとばかりお高い。(苦笑)
それでも、最近は通販で手軽に中古本も売っていますので、興味ある方は是非手に取ってみてください。