ここ道南では「つぶ」の種類も豊富です。北海道の人はつぶが馴染み深いですが、本州の人にとっては未知の食べ物です。実際、数十年前に本州に住んでいたときには、周りの人に聞くと「つぶ」を知らない人が多かったです。
やっぱり刺身にする真つぶが代表的ですが、真つぶの代用品になるエゾボラモドキやさらに殻が割れやすく安価なチヂミエゾボラなんかもあります。
内地の方では「つぶ」よりもサザエが一般的ですので、本州から親戚がきてつぶ刺しを出すと非常に喜ばれますね。
その「つぶ」の中でも、「青つぶ」と呼ばれるものがあります。
煮たり焼いたりまたは刺身でもおいしく食べられます。しかも、刺身に出来る他のつぶに比べると非常に安価なので庶民的であります。正直真つぶは高級品の部類に入りますので、地元民でもなかなか口にすることは少ないのではないでしょうか。
青つぶと言えど大きくなると当然単価が上がりますので、g当たりの金額も上がってきます。しかし、今回珍しく大き目の青つぶが58円/gで売っていたのでこれは買って食べねば!と思い刺身して食べようと思います。(笑)
殻から取り出す
まず、さっと水洗いした青つぶを殻から取り出していきます。
家庭で消費するならビニール袋の中に入れた状態で殻を金づち等で割って中身を取り出すやり方が一番おすすめです。殻も飛び散らないですし、割った殻は簡単に剥がしていけますので時間も手間も少ないですね。
割らないで殻から外すには写真のようにキリやアイスピックなどで穴を開ける方法があります。ちょっと手間とスキルが必要ですが、キリ等を押し当てながら柄元をコンコンと何かで叩いて突き刺します。
殻を貫通したら、その中につぶの身が付いている結節点がありますので、キリ先でぐりぐりしながら外していきます。
上手くはずれると、今までせり出していたヘタと身が殻の中に入っていきますので、そしたら身にキリを突き刺して捻り出しましょう。内臓やウロが切れないように上手く出します。
このやり方は他のつぶでも変わりありません。ちょっとグリグリする位置が違うくらいですね。
内臓やウロを処理する
大半のつぶは三つの部位に分かれます。下の写真の左からウロ・内臓・身の部分です。
内臓の部分は捨てる人が多いようですが、筆者は醤油煮で食べますので後で取り上げます。ウロは活きがいいと刺身で食べることも出来ますが、お好みになりますので刺身で食べない方は内臓と一緒に醤油煮にしましょう。
身から脂とヘタを取り除く
身から脂とヘタを取り除きます。
道南では脂と言っていますが、唾液腺の部分になります。これを一定量食べると目がチカチカしたり酔った感じになりますので除いていきます。焼きつぶとか煮つぶでそのまま食べるひともいますが、許容量を超えると酔っ払います。(*_*;
筆者は比較的強いので5個くらいまでなら大丈夫ですが、弱い人だと2-3個でやられちゃいます。
脂は写真のように縦に切れ目を入れると両側にある黄色の部分です。これを取り除きます。
塩もみして水洗いする
ぬめりを取るために少し多めに塩を振り、塩もみしていきます。
ぬめりが出てきますので、ある程度揉んだらぬめりと塩を水で洗い流しましょう。
氷水に入れる
あとは氷水に入れておきます。余計なぬめりも取れますし、この状態で30分くらいは活きていますので、お好みのタイミングでキッチンペーパー等で水分を切って刺身にします。
ウロと内臓を醤油煮にする
余ったウロや内臓は醤油煮にしましょう。醤油でもいいですし、めんつゆでも代用できます。めんつゆを水で割って使ったほうが、お手軽に出来ますね。
青つぶの刺身の完成
さて、切り分けて青つぶ刺しの完成です。切り方は大きさによって縦にスライスする人もいれば、横にスライスする人もいます。厚さは真つぶなどよりは硬いので、歯の弱い方や硬いの嫌いなかたは薄めの方がいいかもしれません。
下の写真で青つぶ4個分、値段で300円です。結構安く感じますよね。
ウロと内臓の醤油煮もお酒のつまみに最高です。(*´ω`)
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