11月下旬から市場に真鱈が出回ってきましたが、今が旬の魚なので是非食べたいですね。
特に、1本まんま買うと中に白子(たち)や真子(真鱈子)が入っているので、当たりを引くと非常にお得です。ただ、最近は少し腹を割いて中が何かわかるように売っていますので、白子でラッキー!というくじ引き的な要素も無くなりました。
筆者は切り身ではなく1尾そのまんま買うことが多いですが、それでもくじ引き的要素が楽しいです。
もう今回買う時にお腹の中には何もないことはわかっているのです。
でも、開けるまでドキドキするそんな感じです。
この度、ご購入のマダラは見ての通り少し痩せっぽちです。お腹を開ける前からわかりますが、おそらく産卵を終えたので痩せているのでしょう。
本当はもっと丸々太ったものを買って食したいのですが、やはりコストが違います。
この長さで丸々太っていたなら、中に白子なり真子が入ってゆうに5000円はするでしょうか・・・。
残念ながら、このマダラは500円です。(´Д`) 文句は言えません。
この値段の差は一家庭人として埋めがたいものがありますね。(苦笑)
早速捌いてマダラの刺身(昆布締め)と真鱈鍋の準備をしていきます。
腹を割いて内臓を取り出す
まず、包丁かタワシで擦って体表にあるウロコを落としたあと、カマと顎の結節点を切ります。
そしてカマの部分を割って内臓を傷つけないように肛門まで腹を割いていくのですが・・・なにかしらの違和感。
金属的な何かが当たるので中を見てみると、釣り針が入っていました。デカい釣り針ですね。真鱈には結構な高確率で釣り針が口やエラ、胃袋の中に入っている可能性があります。
捌くときは気を付けましょう。勢いよくガリっとやってしまうと、包丁が欠けてしまいます。
腹を開いたら、腸は肛門のところを切断して頭を落として頭と内臓がくっついた状態で取り除くのがスタンダードだと思います。
実際、市場なんかで売っているのも、腸や苦玉を取り除いて頭とエラ、肝、胃袋が付いた状態ですね。
頭と魚体を別々に販売するならいいかもしれませんが、筆者家庭で身も内臓も頭も消費しますので、頭を落とさずにエラごと内臓をベリベリ剥いでいきます。
そっちの方が楽なんですよね・・・。まあ、この辺はお好みでやっちゃってください。(笑)
血合いを取り除く
頭と体の境目や背骨の淵に血合いがあります。これをササラや爪楊枝を束ねたもの、あるいは清潔な歯ブラシ等で取り除いていきます。
腹の背骨部分は膜に覆われていますので、ほとんどの魚と同じように包丁で切れ目を入れて血合いが見える状態にして除いていきます。
血合いを除いたら出刃包丁の根本を使って、身と頭を切り離しましょう。
三枚卸しにする
ここからは二枚おろしにするのか、三枚おろしにするのか、はたまたブツ切りにするのか用途によって異なりますので、次に行う料理をイメージしながら取り掛かりましょう。
筆者は身は刺身かフライ、焼き、アラは鍋にしますので基本三枚おろし、焼きが多い時は二枚おろしというときもあります。でも二枚おろしにすると骨(アラ)が勿体ないく感じるので、ほとんど三枚おろしで中骨等のアラは汁か鍋にしてしまいます。
という訳で今回も三枚おろしにしておきます。
カマやハラスを落とす
三枚おろしにした身から余計な部分をそぎ落としていきます。
まずはカマですね。これはアラ汁に入れてもいいですし、このまま塩焼きしても美味しいですね。
筆者は今回塩焼きにしました。
ハラス部分は逆さ包丁を入れて腹骨と身を切り離してから、ハラス部分を切り取っていきます。
どのくらいまでハラスを残すのかは好き好きだと思います。
腹骨があって食べづらいので筆者はサクッとハラスをとってしまいます。
内臓を処理する
内臓を処理します。胃袋が付いている所から肝を丁寧に外していきます。緑色の苦玉があるので割らないように注意しましょう。
あとはエラと胃袋を外していきます。
エラをアラ汁(じゃっぱ汁)に入れる人もおりますので、お好みで処理してください、
胃袋は是非汁物に入れたいので、割いてから中のぬめりをこそぎ落として適度な大きさに切りましょう。あとは鍋に入れる前に適度な大きさに切り分けます。
案の定、腹を開けると白子は産卵後だったので小さかったです。まあ、500円なら仕方ない・・・。
アラを処理する
内臓以外のアラを処理していきます。
まずは頭を小さく切り分けます。目玉に指を入れて固定してから下顎と上顎の中に包丁を入れて下まで押し切ります。
下顎がはずれたら、下顎は中心で二等分にしておきます。
上顎の方は中心が軟骨で割り易いので、中心部から包丁を入れて包丁の背を左手で抑え込むような感じで力を入れて下まで切っていきます。手を滑らせて切らないように注意して下さい。
上顎部分はさらに食べやすい大きさにカットすると良いです。
中骨部分も適度な大きさにカットしておきます。
身をカットする
あとは身を用途に合わせてカットしていきます。
今回はまず背側の頭に近い方の部分を、お刺身(昆布締め)で頂くことにします。残りは家族の人数でカットしておいて後日フライや焼きで食べたいと思います。
皮を引いて柵を作る
さて、捌いた身の一部を使って刺身にします。もっと多くやっても良かったのですが、タラの刺身っていつも多く作りすぎる傾向があるので、今回は足りないくらいでやってみました。(笑)
まず、このブロックの皮を引きます。
こんな形ですが、意外に簡単に皮を引くことができますので安心してください。
皮を引きましたが、そのまま昆布締めで食べる場合は、ある程度の薄さに削ぎ切りにした切り身を平たい昆布の上に一枚一枚敷いていき、少し時間をおいておきます。すぐ食べたいなら20分程度でいいですね。あとはそのまま皿に載せて食卓に出したり盛り付けたりして頂きます。
アニサキスが不安だなとか、冷凍保存したいとかなら、下の写真のように適度な大きさの昆布で上下を挟んでラップをして冷凍します。
冷凍した場合は完全解凍してから切って食べてもいいのですが、食感が弱くなりますので半解凍のルイベ状で食べる方が美味しいと思います。
マダラの刺身(昆布締め)の完成
今回は活きの良いまま食べたかったので、昆布を敷いて薄く切った身を20分ほどのせてマダラの昆布締めが出来上がりました。アニサキスに注意しながら切り分けて下さい。マダラはハラス以外も結構な確率でアニサキスが刺さっていることが多いので、うっ血している部分なんかは特に注意して見て下さい。
今回昆布締めにしましたが、活きが良いので直ぐに食べるなら、昆布で締めずにそのまま刺身で食べるのも全然OKです。活きが良いけどちょっと昆布の風味があった方がいいなあ・・・と思っただけです。この辺はお好みでどうぞ。
結果、昆布の出汁もタラに移って活きも良く食感もありダブルで美味しかったです。いつもは大体筆者と父親しか食べないのですが、今回はみんなが箸を伸ばしていました。
ちょっともの足りない想定が、全然足りない事態でしたが余すよりはいいですね。
活きの良いマダラの刺身、釣りや市場で手に入れることが出来たら食べてみませんか。(‘ω’)
↓ ↓ 他にもマダラの食べ方があります(‘ω’)
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