いよいよ秋、となればカジカが美味しい季節がやって来ました。カジカは漢字で「鰍」、魚へんに秋ですね。前回はトゲカジカ(なべこわし)を刺身にしようとして断念しました。
今回もどうだろうか、と思いましたが、ちょっと前回のものと比べて活きが落ちていそうですので、三平汁と唐揚げにしていきたいと思います。
まずはこの巨大なカジカを捌いていきます。前回より少し詳しく紹介していきましょう。基本的にカジカ類の捌き方はどの魚種もほとんど違いがありません。強いて言えば当別カジカ(ケムシカジカ)だけが初めに皮を剥く作業が発生するところが違うところかも知れません。
下準備
まずは水洗いして表面のぬめりをさっと落としていきます。トゲカジカと言うだけあって、この頭の脇の部分に付いている鋭いトゲがよく刺さりますので、軍手を付けることを推奨します。ハサミでちょん切っちゃうと更に安全です。ちなみに道南では手袋や軍手を「履く」と表現します。(笑)
頭と胴体に分ける
普通の魚のように胸びれの横から包丁を両側に入れてたあと頭の後ろの背骨を切断します。腹びれの後ろから包丁を入れて身が離れたら頭ごと内臓を引き出し、腸の部分だけ切断すると二つに分けることが出来ます。
胴体には卵が残りますのでこれを外していきます。
血合い部分に包丁を入れて、爪楊枝を束ねたもの等で血合いを取っていきます。
頭・胸ビレ・内臓に切り分ける
エラと頭の接合部に包丁を入れて、エラと胸びれ、内臓をひっぱり分離します。
次に胸びれ(カマ)部分とエラ・内臓を分離させます。
胸びれとエラの部分に包丁を入れて写真のように切り離します。
あとは肝と胃袋を取り出していきます。
胃袋の中によく小魚やエビが入っていることがあるんですが、今回は八角(トクビレ)が丸ごと入って消化されていました。(汗) カジカを買う時はある程度生きていて、内容物を消化した状態のものを買うのがベストです。内容物を消化しきる前に死んでしまうと鮮度が落ちるのが早いですし、重くなり値段が上がってしまうからです。今回、エラは分離して取り除きましたが、真鱈でもエラごと鍋に入れる人もいます。生臭くなったりしますので私は捨てます。
胃袋のぬめりは包丁でしごいた後、水洗いしきれいにします。
頭・胸ビレ(カマ)。胴体・肝・卵巣・胃袋に分けた状態です。さあ。ここから切り分けして行きます。
カマ・頭・内臓を切り分ける
カマを半分に割ります。これでも大きく感じる方はさらに二等分にして下さい。
下顎の部分を切り落とし、さらに真ん中から二分の1に割りましょう。
頭の部分は真ん中から包丁を入れて半分に割っていきます。割った頭が大きければ更に半分に割っていきましょう。
胃袋と肝は食べやすい大きさにお好みでカットしてください。
胴体部分を切り分ける
次に胴体部分を切り分けていきます。基本はお刺身を作るときと同じで柵にしていきます。違うのは薄皮を梳くか梳かないかですね。もしカジカ汁等で利用するならブツ切りで構いません。
まず、ハラスを部分を切り落とします。これも捨てないで鍋に入れて下さいね。
次に三枚おろしにしていきます。真ん中の骨は捨てずにぶつ切りにして鍋に入れます。
外側のベロベロした川を梳いて下さい。その皮も捨てずに鍋に入れます。お刺身にするならこの表面の薄皮も皮目を下にして梳いていきますが、今回は唐揚げなので付けたままにします。
逆さ包丁で腹骨と身の間に切れ目を入れて、そこから腹骨を梳いていきます。
中骨が入ったままになっていますので、骨抜きで取り除くか切り落としていきます。
中骨に沿って身を縦に切り、中骨の部分だけを写真のように取り除きます。この中骨の入った部分も捨てずに鍋に入れて下さいね。トゲカジカ(なべこわし)の三平汁と唐揚げを作るに続きます。
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