前回記事は11月に書いた漬け込み編です。記事を書いた日と実際に作業した日は違いますので、漬け込んだ日から約41日、若干早いですがやっぱり正月に食べようということで、飯寿司を収穫していきます。
あくまで北海道の函館の気温での作り方ですので、函館より暖かい地方の方は気を付けて下さいね。
飯寿司樽に載せた重石をはずす
まずは樽の上に載せておいた重石を外します。
順調に漬かっていれば、ツンとした酢の匂いがします。もしこれが腐ったチーズのようなにおいだったら、ボツリヌス菌が繁殖して失敗している可能性がありますので注意して下さい。速攻捨てましょう!
重石を外して蓋を開けると飯寿司の漬物袋が出てきます。飯寿司樽の大きさに対して漬物袋4斗の大きいものを使っていましたので、袋の余分な部分を切ってひっくり返したときに水が切れやすいようにします。
樽をひっくり返す
外した重石を土台にして飯寿司樽をひっくり返しのせます。
余分な漬物袋のビニールを取り除くことによって、水分が落ちやすくしました。
また重石をのせる
その上にまた重石をのせます。
直接木樽におくと壊れる可能性がありましたので、二本の板木をのせた上に重石をしました。うちの木樽には丁度この石臼が重石にピッタリなんですよね。
この状態で半日もすればある程度水気が抜けますので、午前中に水抜きすれば夕方には食べられます。
水の抜け方にもよりますが、重石をしておくのは大体3日間程度で、あとは重石を外してひっくり返した状態で保存しておきます。食べたいときに樽を元に戻して、飯寿司を取り出しまたひっくり返しておきます。10日間くらいして飯寿司もある程度減ってきたら、あとは全部収穫してパック詰めして冷凍庫に保管しておきます。
同じように別の樽も見ていきます。
このプラスチック樽の方は予想以上に飯寿司が圧縮されたため、樽の下に隠れて見えませんが、土台の重石を二段重ねにしました。そうしないと飯寿司が樽から落ちてきてしまうからです。もう少し底の浅い樽を使うべきでした。
鮭の飯寿司の収穫
さあ、ひっくり返した樽からある程度水分が抜けたら、樽から飯寿司を収穫します。
今年の函館は寒い!函館以外の地域も水道が凍るなど被害が出ていますので、全道的に凍れております。む、そういえば、「凍れる(しばれる)」も北海道弁かな。(笑)
「凍れる(しばれる)」は凍るような甚だしい寒さの時に使います。
ゆえに、今年の飯寿司の収穫は凍っていてなかなか取り出せません。半分引きちぎるくらいで鮭と野菜を取り出していきました。ほんとガッチガチです。
鮭の飯寿司の完成
一か月以上の手間暇をかけて鮭の飯寿司の完成です。
今回、二つの樽で漬けてみました。二つの樽で鮭や麹の種類、野菜の切り方を変えております。
上の写真、左側がプラ樽で紅鮭・野菜はピーラー切り・麹は服部醸造です。
右側の方は、時鮭を使って野菜類は手切り、麹は母親が使う十勝の麹です。
左側と右側を比較すると、左側は野菜はしなしなして食べやすいのですが、その分食感にかけます。麹は服部醸造の方が粒が小さいので細かく砕けた感じがします。鮭は紅鮭なので脂があります。右の時鮭の方があっさりしていますが、決して美味しくないというわけではありません。これは好みが分かれるところですが、一般的には紅鮭の方が旨いと言われています。
メリット | デメリット | |
時鮭 | 安価であっさりしている | 脂身が少し足りない |
紅鮭 | 脂っこいので旨味が多い | 価格高い |
手切り | 太さがあり歯ごたえがある | 切るのに手間がかかる |
ピーラー切り | 切るのに手間がかからない | 歯ごたえに欠ける |
丸合清水醸造麹 | 粒が大きい | 粒が大きい |
服部醸造麹 | 粒が細かい | 粒が細かい |
これは、どちらも一長一短、表裏一体ですね。麹なんかはメリット・デメリットが同じですので、もう好みの世界かもしれません。樽の良し悪しは今回判別できませんでした。これも強いて言えば底の浅い樽を使いましょうというくらいです。まあ、木樽は1万円以上と高価ですから、この辺がデメリットかもしれません。ピーラー切りの方はもっと太く切れるピーラーを使ってもいいかもしれませんね。
なにはともあれ、早速実食です。暖かい場所で保管したりするとボツリヌス菌で食中毒になってしまう可能性が高くなります。常温で置きっぱなしはもちろん厳禁、出した飯寿司は早めに食べましょう。
まずは、プラ樽で作った紅鮭の方から。
脂っこさが酢と合わさって美味しいですね。麹と野菜がちょっと細いかなあとも思いますが、この辺は好みだと思います。
時鮭で使ったほうを食してみます。こちらは母親がすべて手掛けましたのでいつもの家庭の味ですね。
違うのは紅鮭か時鮭かの違いです。あっさりしているので酢味が効いています。野菜の歯ごたえは十分ですね。これはどっちも旨いなあ。(‘ω’)
ある程度、樽の中を食べたら、パック詰めして冷凍保存しましょう。その際も冷凍焼けを防ぐためにラップ等でしっかりと封をして下さいね。解凍したら早めに食べることが肝心です。
コメント
函館生活さん、はじめまして^^
昨年末から今年にかけて、函館生活さんの記事を参考に、鮭の飯寿司をはじめて手作りしてみました。
私は道東在住でして、鮭釣りが趣味なのですが、鮭を食べるのも好きなのでいつかは飯寿司も・・・!と思いつつ、ハードルの高さから先送りしていました。
今回、漬けるタイミングが遅くなってしまい、しばれるリスクがあったので、冷蔵庫の中で、10Lくらいの角タッパで見よう見まねでやってみたところ(鮭は2本使いました)、、、思いの外おいしくできあがり、知人にも喜んでもらえて、自分でもびっくりしているところです。
ちなみに、私は出身は道南でして、まさに服部醸造があるところが地元なのですが、そんな意味でも勝手に親近感をかんじております。
実際に手作りしてみて感じたことは、塩漬けして固くなった鮭を三枚おろしにするのが結構力が必要でうまくいかず悔しかったことと笑、野菜の千切り作業(包丁)がけっこう大変だったので次回はピーラーを買おうと思いました。
とはいえ、初の飯寿司でこんなにうまくできるとは思っていなかったのですごく嬉しくなり、お礼も込めてコメントさせていただいた次第です。
私も小さい頃から海山川の自然の幸をとってきて食べるのが大好きでしたので、函館生活さんのブログ記事はいつも楽しく拝見させていただいております。
これからもブログ記事を楽しみにしております\(^^)/
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。鮭の飯寿司のレシピは私の実家で受け継ぐものなのですが、これを作るのも私の代で終わりかと思い誰か引き継いで欲しい思いでレシピや作り方を公開しました。まめすけ様みたいに試して作って頂けるとこの先も実家のレシピが受け継がれると思って大変感激です。自分の覚書のようなブログですが、今後ともお付き合い願えれば幸いです。