冬になって本格的にマダラのシーズン到来です。
マダラの旬は冬と呼ばれていますが、実は夏のマダラも白子や真子に栄養が取られない分、身が締まって美味しいです。しかも安いのでお刺身なんかは夏の方がお得に、かつ美味しく食べることができるかもしれません。
そうは言っても冬のマダラも美味しい。何と言ってもタチ(白子)や真子(鱈子)がメインですね。漁獲も多くなりますから、市場に多く出回ってきます。
一本、大きいものを買うと4~6,000円はしますかね。特に中が白子のマダラは高いです。
うちは中くらい程度のものを買いますが、大体2~3,000円程度です。安いのでほとんど中身は真子ですね。
いつもは一本買ってきて処理するのですが、まだ値段が安定しないのか少し高い。
そんな折、近くのスーパーで大きいマダラの頭が二つ入ってなんと299円で売っていました。
これを安いか高いか判断しかねる読者も多いと思いますが、
ここ函館では圧倒的に安い!
自由市場や中島廉売ではここまで大きい頭は1つ500~600円で売っています。このマダラの頭は1個計算でも約150円です。活きも良さそうですので、これは即買いしてじゃっぱ汁を作っていきたいと思います。
じゃっぱ汁とは
じゃっぱ汁って何?思う方も多いかもしれません。青森の人はもちろん、函館の人の多くは知っていることと思います。
「じゃっぱ」はいわゆる「ざっぱ(雑把)」の意味です。
一般的に大雑把という言葉で使われますが、雑にまとめられたものの意ですね。元々捨てるようなもの(アラ)を集めて汁鍋にしたことからこんな言葉になっているのでしょう。
青森県でも主に津軽地方の方がじゃっぱ汁という呼び名をします。味の付け方は主に味噌です。
函館の呼び方は・・・アラ汁かな。でも塩味で作ったら三平汁という呼ぶ方が一般的かもしれませんね。
マダラの頭とカマと内臓を分ける
さあ、この巨大なマダラの頭を捌いていきます。
まず、エラとカマが頭の繋がっている所から包丁を入れて切り離します。
次にエラの繋がっている所に包丁を入れて頭とエラを離します。
最後は頭とカマ部分を切り離すように背骨を切断すると頭と内臓が付いたカマに分かれます。背骨を切断するときは、結構力が要りますので、出刃包丁の根本部分を使って上から片方の手を押し当てて、垂直に力を入れて切断すると良いです。
あとは頭の方に付いた血合いなどを取っていきます。筆者は生臭いのがあまり好きではないので、血合いなどは取り除いていきます。筆者の父もそうですが、あんまり気にせず入れる人も多いみたいです。この辺はお好みで処理してください。
カマと内臓を分離して処理する
あとはカマと内臓を分離します。
カマとエラが付いているところに包丁を入れて切り離します。
ベリベリ剥がすと最終的にカマ、肝、エラと胃袋に分かれます。
内臓で最終的に食べるのは胃袋、肝、勿体ないと思ったら心臓も使いましょう。
胃袋はエラの部分とくっついていますので、これを切断します。
今回は胃袋の中身は空っぽですが、結構な確率で魚などが入っています。それは取り除いて捨てて下さい。また、釣りタラだと釣り針そのものが入っていたりしますので、包丁を傷めないように注意して下さい。
エラの処理はお好みで
筆者は捨ててしまいますが、エラも鍋に入れて問題ありません。好んで食べている人も多いと思います。入れる時は少し食べやすいように4等分程度に切り分けて下さい。
頭を切り分ける
マダラの頭を切り分けます。まず、目の玉の所で押さえながら、口の中に包丁を入れて力強く下顎を落としていきます。
この辺はカジカでもソイでも大体の魚は同じ処理の仕方です。
外れたら丁度良い大きさに切り分けていきます。
ザルに入れて水洗いして塩を振る
ここまでで、ほぼ捌き終えましたので一度ザルに入れて水洗いします。
余分な血や汚れを落として下さいね。
落とし終わったら全体的に軽く塩を振って20分程度おきます。
お湯をかけて水ですすぐ
魚の臭みを消すためにお湯をかけて水ですすぎます。
いわゆる霜降りという作業の簡易版と思っていただければ結構です。量も多いですし、こんな手荒な作業でも結構臭みは取れますね。
正直、血合いやエラを入れて食べる人なら、この作業は不要かもしれません。
野菜の準備をする
じゃっぱ汁の野菜は三平汁と変わらず、大根・人参がメインです。これらをまずはいちょう切りにしておきます。長ネギの他はお好みですが、キノコ類やジャガイモを入れたりします。
今回は出来上がりに長ネギを散らしたいと思います。
出汁をとる
マダラから出汁が十分でるので昆布出汁をとる程度でいいと思います。
気泡が出たら沸騰前に昆布をあげて下さい。
じゃっぱ汁を作る
煮えにくい大根と人参から煮ていきます。
この野菜がある程度火が通ったら、次にジャガイモを入れる場合はこのタイミングで入れて下さい。今回はジャガイモは入れないのでタラを入れていきます。もしキノコ類などを入れるなら魚を入れたあと少し時間を空けて入れて下さい。
マダラを入れたら温度が下がりますので少し火を強めて煮ていきます。
沸騰してくるとアクが沸いてきますので、適宜アクを掬ってください。
調味料を入れて味を付ける
野菜や魚に火が通ったら、あとは味付けをしていきます。みりん・酒を適量入れて、最後に味噌を溶かして完成となります。
マダラのじゃっぱ汁(アラ汁)の完成
先ほど切っておいたネギを散らして完成です。食材はマダラのアラと大根・人参・長ネギと至ってシンプルではありますが、非常に美味。
血合いとかエラとか入った粗々しい汁も好きですが、やっぱりある程度生臭い要素を取り除いた方が美味しいと思われます。
今回は味噌味ですが、これを塩味にすると函館ではタラの三平(汁)と呼びます。頭だけの処理ですが、一本を捌くと頭や内臓だけでなく、中骨や尾びれなど無駄なく使います。
マダラって非常にコストパフォーマンスが良い魚です。捌くのが苦手な方は店員さんに言って、使いやすいように処理してもらうのが良いでしょう。(‘ω’)
↓ ↓ 他にも美味しいアラ汁があります。(‘ω’)
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